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読みの困難さと支援について

前回からずいぶん日がたってしまいました。

今回は『読み』の困難さと支援について。

文字を書くことにも困難があることが多いため、読み書き障害とよばれることもあります。

文字を一つ一つ拾って読む(逐次読み)、きゃ、きゅ、きょなど(特殊音節)の読みが正しくできない、読んでも内容が理解できないなどの症状があります。また漢字の読みの困難を伴うことも多いです。読みのどこに困難があるかは人によって様々です。

読むためには文字を音と結びつけたり(「あ」の文字を見て「あ」と発音する)、ことばをまとまりとしてとらえたり、文字の形を見分けるなどの処理が必要です。脳の部分に何らかの機能障害があるためそれらの処理がうまくできないのではないかと考えられています。

形の似た字を間違いやすく、「わ」と「ね」、「シ」と「ツ」などの区別ができにくい、また文字がゆがんだり、ぼやけたり、二重になったりと普通の見え方とは違う見え方をしている人もいます。

文字が全く読めないのではなく、読めるけれど流暢にスラスラと読めないという人もいます。スラスラ読めないと文字を拾っていっているだけなので、内容を理解できないということになります。

知的な遅れがなく、できることが多いため、できない(読めない)ことを、「怠けている」と勘違いされて叱られることも多いです。叱られることで、だんだん学習の意欲が低下して年齢が上がると無気力になってしまうこともあります。

また学年が上がると学力が低下してしまうこともあります。知的な遅れがあると思われていた子が知能検査をしてみると、知的には平均以上あり、読み書き検査をすると、読み書きに顕著な弱さがあったと言う例も少なくありません。読み書きに困難さがあるために、情報を取り入れにくく知識の積み上げができにくかったと考えられます。

本人は自分の弱さに気づいていないことも多く、「みんなは僕(私)以上に頑張っているのに、努力が足りないんだ。もっと頑張らなくては。」と思っている子も多いです。

英語の学習が始まって、英語の読み書きに極端に困難さを生じる場合もあります。日本語が一文字一音のかな文字や、表意文字である漢字が用いてあるので何とか読めていても、英語の単語は発音と文字が一致しないので、困難が大きくなります。中・高校生になって、読み書きのしんどさがあることに気づかれるケースも少なくありません。

困難さがあることに早く気づいて、その子の学びやすい学習スタイルをとることが必須です。

怠けているのではなく努力が足りないのでもなく、生まれ持った障害であるということを理解することが大切です。

読みに困難がある場合、通常の学習スタイルである「読めないから、何回も繰り返して読ませて、読めるようにしよう」というやり方は、うまくいかないばかりか、その子を苦しめることになっていることも多いです。

読みの訓練は必要ですが、内容を理解するためには「デイジー教科書」や「アクセスリーディング」の様な音声で教科書を読み上げてくれるサービスを活用することが有効です。読み上げるだけでなく、読んでいるところを線で示してくれます。

1、2年生の早い時期に気づき、音韻認識を育てることが重要です。単語がいくつの音のかたまりでできているか、単語のどの音がどの順に並んでいるかがわかり、その音のかたまりを頭の中で操作ができることを音韻意識といいます。

言葉がいくつの音でできているか手拍子で確認したり、「○」のつくことば集め(例えば「あ」のつくことば)、言葉の最後の音(りんのご」)・真ん中の音(りごの「ん」)を探すなど、ゲーム感覚で育てます。

しりとり、単語を逆に言う、短い文の復唱、なかま集め(動物・果物など)も有効です。

あわせて流暢に読むためのトレーニングも必要です。

困難さは一人一人違いますが、

✤言葉をまとまりとして読めるように斜線で区切って読む。

✤教科書を読んであげる。

✤親子で一文ずつ交互に読む。

✤デイジー教科書のような教科書を音声化したものを聞く。

✤漢字にふりがなをふる。

✤読んでいるところがわからなくなる子には、一行だけ読めるようにしたシートを作って、それを置いて読む。  などで困難さを軽減しましょう。

また読み聞かせ。本屋や図書館に行って本に接する機会を増やすなど、親と一緒に本に接する機会を増やしましょう。

 

次回は書きの困難さについて

 

 

 

 

 

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